2010年12月02日

カレー 1

≪昼飯を食ひに下宿へ帰らうと思ったら、昨日のポンチ絵を描いた男が来て、おいおいと云ひながら、本郷の通りの淀見軒と云ふ所に引っ張って行って、ライスカレーを食はした。≫

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 漱石の小説『三四郎』の一節で、大学に入学してまだ間もない三四郎を世慣れた学生与次郎が連れ出し、近くでカレーライスを食べさせる場面である。
 『三四郎』が『朝日新聞』に連載されたのは明治41年のことであるから、今からおよそ100年前にすでに東京でカレーライスが食べられたわけである。
 当時のカレーライスはイギリス直輸入のハイカラな洋食で、値段も大変高かったらしいが(もりそば・かけそばが六銭だったときライスカレーは六〇銭だったという)、その後カレーライスはすっかり日本の生活に定着して、今では最もポピュラーで安価な料理のひとつとなり、食堂はおろか家庭でも極めて手軽に食べられる一品料理の代表格となっている。


つづく
posted by さわ at 11:12| Comment(0) | 食話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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